キュートのお写真、載ってた
「ねぇ、キュートどこにも載ってないよ。確かに写真を出したはずなのに、おかしいなあ」
それは、今年の1月、わたしキュートのトリミングから、カレンダーをもらって、帰ってきた時のことでした。
「ほんと?おかしいわねえ。ちょっと見せて」
今度はお母さんがカレンダーを1月から12月まで、丁寧に見始めました。
「本当だ。やっぱりない。去年って、本当に写真出したの?キュートは去年来たばかりだし、出さなかったじゃないの」
「そうかなあ、出したと思うけど・・・。やっぱり出し忘れたかもしれないな」
「それに、ソラと違って、キュートはあそこの出じゃないから、載せてもらえないんじゃないかしら」
お父さんの用事に合わせて、ソラ兄ちゃんの時と同じように、わたしキュートもトリミングに通うようになったのでした。そこのカレンダーにわたしのお写真が載っているか載ってないかが、この夫婦の大問題なのでした。
「それはないと思うよ。トリミングに通っているし、たくさんのベットが載っているほうが、賑やかでいいから、出身でなくても載せてくれると思うよ。やっぱり出し忘れたのか」
そして、6月の終りも迫った昨日、
「キューちゃん、載ってた」
お父さんが、とっても幸せそうな顔をして、お母さんに、カレンダーの6月部分を差し出しました。
「ほら、右から二つ目の上から三つ目のところ。『わたし「キュートしっぽ姫」コーギー犬です。よろしく』って書いてある」
「ほんとだ。キュートだ。カワイイ」
「危なかったなあ、もう少しで破って捨てるところだった。7月もこのままで行こう」
どうでもいいですけど、還暦をはるかに過ぎた老夫婦の会話でしょうかねえ。わたしキュートとしましては、わたしの一生をこんなふたりにまかせていいものか、とっても心配です。