「せっかく新しくしたんだから、ストラップもかえてあげたよ」
ある日、お父さんがお母さんに言いました。何日も前のことです。
「あっ、コーギーのストラップね。これからはいつもソラといっしょなんだ。ありがとう」
お母さんは、とてもうれしそうでした。
そして翌日。それは町へ出かけて、お父さんとお母さんが、あるお店から出てきたときのことでした。
「運転代わるけど、キーが見つからないから貸して」
お父さんが言いました。お父さんはよくいろんなものをなくします。でも、たいていいつも、すぐになんでもないところから出てきます。
お母さんは、そんなお父さんにつきあう気はありません。
「はい、キー」
「ありがとう。あれっ、ソラのストラップはどうしたの。ついてないよ」
お父さんの言葉に、お母さんはすこしあわててキーホルダーをみました。
「ほんと。ソラのストラップ、どうしたのかしら。だいじなソラなのに。お店の中に落としてきたのかなあ・・・。他に考えられないけど」
「いや、そんなようすはなかったと思うよ。簡単にはずれるものでもないしねえ」
「あっ、あったあった。こんなところにあったわ。ごめんねソラ」
すぐに、お母さんはほっとした声を上げながら、バッグの中からコーギーのストラップをつまみ出しました。
ああ、なんということでしょう。大事なはずの僕の、コーギーのストラップの先には、機種変更したばかりの、真新しいケータイがぶら下がっていたのでした。
賢明な皆様でも、これではなんのことかわからないかもしれませんね。
ボケとツッコミとかいいますけれど、僕の親たちはふたりともボケみたいです。どうしたものでしょうか。
でも、ふたりともとても元気。もちろん僕もです。
お父さんは、「腕こそキーを打つとしびれるけど、あとはどこもおかしいところはない」が口癖です。
みなさん一年間いろいろありがとうございました。よいお年を。
写真は、12/30日夕方の我が家付近。今晩(12/31)もう少し積りそうです。