あひると合鴨、いりませんか・その1
「ラーパーさん、鴨いらんかね」
海の日の連休明けの朝、村役場の駐車場で、職員のAさんから声をかけられました。
鴨をもらってくれそうなカモが来た、と思われてしまったのかもしれません。
でも、ヒマそうに見えて、実はいろいろと忙しいのです。いわゆるアヒルの水泳ぎ(?)で、水面下では盛んに足を動かして真剣に働いているのです。
「アヒルもいるらしいよ。今から○○に捕まえに行くんだわ。だれかが連休中に捨てていったみたいだわ」
○○というのは、村内某所です。真似する人が出ると、とっても困るので、特別に名前を出さないことにします。
まったく、とんでもないことをする人がいるものです、などとは、そのときはあんまり思わず、
「そんなのつかまえなきゃいけないの。ほかっておけば・・・」
ついつい無責任な持ち前の性格が出てしまいました。
「他の動物に殺されたりしてもいかんしねえ。田んぼを荒らすかもしれんよ」
自分よりははるかに若いけれど、さすがはしっかりもののAさん、言うことが違います。
それにしても、気の毒な話です。あの青い神秘的な水をたたえた深い湖で、どうやってアヒルやカモを捕らえるというのでしょう。
いや、先日来の長雨でものすごい泥水となっているはずです。大増水していることでしょう。いのちがけの任務となることでしょう。
泥水の湖面で、素早く逃げ回るアヒルやカモ、それを追いかけるAさんたち、想像するだけでもなんというか・・・。
私用がすんだら、声だけでも応援に駆けつけることを堅く約束して、その場は別れました。
(いつか、適当な日に続く)