テープレコーダーに、エアチェックしたら・・・
「エアチェック」という言葉を覚えたのは、小型のテープレコーダーが、発売されたときでした。
音楽をラジオから録音することですから、今で言うダウンロードのようなものです。昭和40年頃のことだったと思います。
テープレコーダーと言っても、カセット式ではなくて、まだオープンリール式のものでした。放送局などにだけあったオープンリールのテープレコーダーが、小型化され安価に売り出されたので、一般の人間の手にも入るようになったのでした。
テープの巻かれたリールとカラのリールとをはめて、うまく巻き取るように、手で少しカラリールに、テープの端を巻き付けなければなりませんでした。
もちろん、ラジオはついてなくて、ラジカセのように音楽をラジオから直接録音することはできませんでした。
ラジオの近くにマイクを置いて、録音するのでした。コードでラジオとテープレコーダーをつなごうにも、そんなふうにはなってないのでした。
バイトで貯めたお金で、小型のオープンリールテープレコーダーを買いました。家に持ち帰って、初めてエアチェックをしたときのことを、今でも思い出すことができます。
お目当ての曲がかかる直前、家族に静かにするように厳命しました。今のように自分の部屋などはなかった時代のことです。狭い家に、大勢の家族がいたのでした。
もちろん、全員が協力してくれました。
息を凝らして、曲が終わるのをみんなで待ちました。
曲が終わって、録音をとめました。テープを巻き戻して、再生のスイッチを押しました。きれいに音楽が録音されていました。
と言いたいのですが、コツコツ、コツコツという規則正しい小さな音が、音楽と共に入っていたのです。気になって、とても音楽を楽しむ気にはなりません。
なんの音だろうと、しばらく考えました。
それは、部屋にあった時計の音でした。ふだんから聞きなれている音で、録音のキーを押すときは、気にならなかったのでした。
ところが再生してみると、とても気になる音だったのでした。
でも、そんなふうにして録音した音楽でしたが、それでも、とても楽しんだものでした。
それは、自分で自分の好きな曲を集めて楽しむ時代の始まりだったのです。
とはいえ、オープンリールの時代は短かったように思います。すぐにラジカセの時代になったのでしょうか。そして、アンプやチューナーなどと言う言葉を覚えたりしたのでした。
とにかく、次々にいろんなものを買って、ずいぶんメーカーさんには、つくしたと思っています。楽しんでのことですから、いいですが・・・。
写真は、サンシュユの黄色いつぼみ。寒さが戻って、ここからなかなか開きません。昨年の村の植樹祭のときにもらってきました。寒さは平気のようです。
まったく、そうですね。なぜか遠ざかってしまった感じがします。そういうのにあこがれていたはずなのに、変な話です。
というほどマニアではありませんでしたが。
38・2トラなどとカタログを読みあさったものです。結局、読むだけに終わりましたが!卒業後 放送局関係の仕事(信越放送にも出張で行きました)をする様になってから、見るのも嫌になりましたが、今になってまた何とか、手に入れたいと思っております。昨今のデジタル機器は使い勝手も良いですが、これから曲を聴くんだ!という一種の恍惚感的なものがありません。等と、つまらない私事を述べさせていただきました。