太いキュウリ
「子どもの頃は、太いキュウリを食べたもんだったなあ」
ブルーベリー園花の谷へ来たお客さんが、言いました。
「そうそう、太かった。黄色くなり始めるくらいになったのを、食べた。」
「細いのは、まだとっちゃいかん、と言われた。
縦に半分に切って、中のタネをかき出して、塩をかけて食べた。」
思わず話が弾みました。
「今の売ってるのは、キュウリじゃない。
あんな出来かけのは、本当は上手くないんだ」
ちょうど、Iターンの若いお母さんが、野菜を持って、来ていました。
毎朝、花の谷の受付け近くに、野菜を置いてもらっています。
新鮮で安いので、とても人気です。
ただし、わが家では「子育てしているんだから、もっと高くしなければ」
と言い合っています。
「いまの若い人は、そんな太いののうまさは知らんわなあ。
今度からは、そういうのも売ったらいい」
「うちに、はね出したのがあるんですけど、持ってきましょうか」
若いお母さんは、言いました。
それで、爺さんたちで、ベビーカーの赤ちゃんをあやしながら、待ちました。
しばらくすると、その太いはずのキュウリが到着しました。
「これでもまんだ、太いとは言えんなあ。」
まったくでした。
今はキュウリのイメージが、細いものになってしまっているのでしょう。
ズッキーニもそうですが、これでは農家がねえ・・・。