そうだ今日あたり、ニホンミツバチの分蜂が、あるかもしれない。
風もなく暖かだった今朝、そう思ったのでした。
ほとんど正午に、そのことを思い出して、巣箱に行ってみました。
黒いお腹の雄バチが、来ていました。
そしてしばらくすると、蜂の出入りが盛んになってきました。
これはもう分蜂です。
母女王蜂が、娘女王蜂に巣をゆずって、自分の部下たちと出て行くのです。
巣箱の見えるデッキで、昼ごはんを食べながら、見張ることにしました。
でも、すぐに蜂たちが、巣箱の上あたりを、ブンブン回っていることに、気がつきました。
もう昼ごはんどころではありません。
近くに行って、どっちのほうへ蜂たちの輪が動いていくのか、目で追いました。
「今、分蜂がはじまった。来れるなら来て」
巣箱の持ち主に、思いついて電話しました。
群れの捕獲は、自分でもやれないことはないけれど、あんまり長い間やってないので、用心したのです。
それに持ち主だって、久しぶりの分蜂、見たいでしょう。
蜂の輪は、南のほうへ動いていきました。
行ってみると、古い丸太の巣箱の屋根裏に、群れているのが見つかりました。
元の巣箱から30メートルほどのところです。
「大きいな。群が大きい」
駆けつけてきた巣箱の持ち主が言いました。
確かに、大きな群れです。
用意した巣箱では、小さいだろうということになって、別の巣箱を持ってきました。
でも、その巣箱は穴が開いているし、汚れていて…。
久しぶりの分蜂で、まったくの準備不足でした。
でも、なんとか巣箱に群れを剥ぎ落としました。
濃厚接触になりかねない近さで見守りましたが、もちろん刺されることはありませんでした。
そして、仮置きして一件落着です。
時計を見ると、13時10分。
果たして、女王蜂様、急誂えの巣箱を、気に入っていただけたでしょうか。
分蜂捕獲した群れは、定着が難しいと言いますが、なにしろ村内で2つ目の巣箱です。
背に腹は変えられません。
たぶん、明日の朝も居てくれると思っています。