遠山に日の当たりたる
「遠山に日の当たりたる枯野かな」
子どもの頃からこの句が好きでした。
田舎暮らしの原点というか、まあそういうところに育ったということでしょう。
小学校が終わると、家にカバンを置いて、大急ぎでまた学校に戻ったものでした。
運動場で、毎日毎日、下手なのに野球をやっていました。
グローブも何もなくて、素手で棒切れを振り回し、走り回っていました。
レフト方向の遥か向こうに、いつも小さく恵那山が見えていました。
秋の日には、じきに恵那山が赤く染まり、やがてすぐに夕闇が迫ってくるのでした。
お寺の鐘が鳴ったら、すぐに帰らないと叱られる。
わかっていて、自分だけ抜けることは、なかなかできなかった…。
毎日が猛烈に忙しかったはずだけれど、なぜかのんびり過ぎていたようにも思います。
上の写真、あとから見てみたら、枯野はありませんでした。
山の中の煙は、温泉旅館遊星館の湯を沸かす煙です。
もちろん、薪を使って沸かしています。