久しぶり、暖かい朝に
今朝、6時少し前のことでした。
いつもとは違って、だいぶやかましい物音に、目が覚めました。
お父さんでした。
いつもはお母さんが先に起きてくるのに、珍しいことです。
お父さんはキューちゃんの様子をうかがった後、薪ストーブの前に腰を下ろしました。
じきに、たくさんの粗朶の燃えるいい香りがしてきました。
それから、お父さんはガラス戸を開けました。
外はまだ薄暗くて、少しためらったみたいです。
でも結局、キューちゃんを、デッキへ押し出しました。
あれっ、こんなこと前にも何度もあったような…。
お父さんは、ガラス戸を閉めて、また薪ストーブにしがみついています。
すると、軽トラックが門の方から入ってきました。
そうでした。
新聞配達のおばさんが、6時にはやってくるのでした。
「キューちゃん、久しぶり。元気だったの。良かったねえ。カワイイ、美人さん、美人さん」
あとは、カワイイ、カワイイ、美人さん、美人さんの繰り返し、猛攻撃でした。
今朝はほんとうに暖かい朝。
それで早くに起きてきたのでしょう。