「あれっ、高速道路なのに道路わきに何台も車がとまっている」
先日、銀座方面から高井戸へ向けて、都内の高速道路を走っていたときのことです。
カーナビの指示に従って、右のほう、「新宿方面」だったと思います、そちらのほうへハンドルを切りました。
道はどんどん下っていきましたが、そんなことは都市高速ではよくあることです。すると、広い道に出ました。そこの道路わきに何台も車がとまっていたのです。
それで、反対側を見ると、道路の向こうに低い柵だかガードレールだかがあって、その向こうには人々が歩いています。
「あっ、ここって都庁のところの道路だぞ。前に修学旅行で生徒と来たことがある。おかしいなあ、こんなところを高速道路が走っていたのかなあ」
さっぱり事態が飲みこめませんでした。なおも車を走らせている間、カーナビは落ち着いて道案内をしています。
「そうか、道を間違えたのか。高速道路から出てしまったんだ」
ようやく、状況がわかりました。
それにしてもカーナビはえらい。なにひとつ文句を言うわけでも、馬鹿にするわけでもなく、あくまでも冷静に高井戸方向へ案内をしてくれました。
指示に従って、新宿見物をしながら車を走らせて、やがて高速道路に戻ることが出来たのでした。
「ああ、あそこはよく間違えるみたいですよ。知人で東京の道をよく知っているはずの人間も間違えたことがあるといっていました。」
最近まで東京に住んでいた人が、そんなふうに慰めてくれました。
まあ、言うならば、異次元空間に入り込んだみたいで、とても楽しい体験でした。ということにしておきます。
写真はゲラニュウムの花。日本のゲンノショウコの仲間です。