いつも元気だね
「先生はいつも元気だね」
もう、10年以上も前のことです。ある雪の日の朝に、すれちがった男の子が、ニコニコした顔でそう声をかけてきました。小学校低学年の子でした。
その言葉はそのときの自分にとっては、本当にうれしい言葉でした。
でも、その朝は、
「久しぶりの雪だ。子どもたちはうれしくてはしゃぎまわるだろうけど、びっくりしたドライバーが、急ブレーキでも踏んだら大変だぞ。みんな雪に慣れてないんだから」
そう思って、通学路の交差点に急いでいたのでした。
「先生だけが、明るい」
それよりもずっと以前のあるときは、生徒の1人にそういわれてしまいました。全国的に中学校が荒れていた頃のことです。
「授業に行く前に、自分に気合を入れないと、とても階段が上がれない」
そう言った先生がいましたが、自分だって同じ気持ちで授業に行っていたものでした。そんな時代でしたのに、それはいくらなんでも言われ過ぎでした。
さすがに気にしました。みんなが苦しんで、暗い気持ちでいるのに、まるっきりなんにも感じないノーテンキな鈍感な教師、といわれたようなものですから。
でも、「まあそれも悪くないな」と、すぐに喜んだりして・・・。
「この世のことは、この世きりのことなんだから、そんなに気にやまなくてもいいんですよ」
そういうふうに言ってもらったことだってあります。
写真は、この冬でいちばんの大雪のときの薪ラック 今では、ウソみたいな光景です