ラーパーさんの「花の谷」だより 

2017年は、8月10日(木)に、ブルーベリー摘みを終了しました。

ありがとうございました。


雨天休園。予約不要です。9:00~16:00の開園。

来園の場合は、このブログなどで、確認してからお越し下さい。

問い合わせは 090の7862の4605

スマホで「売木村45-530」とすると、グーグルでも、ヤフーでも、ピンポイントで、来ることができます。

検索「食べログ 花の谷」でも、地図などが確認できます。

料金は
大人Aコース(摘んで食べる。ミニパック付き) 500円

大人Bコース(摘んで食べる。大パック付き) 1000円

小中学生コース パックなし 200円

の3種類です。 幼児無料

自園産ブルーベリーと砂糖だけの
「手作りジャム600円」
を製造販売しています。

なお、収穫済み実入りパックの販売は、しておりません。

名古屋、豊田方面からは、国道153号です。
平谷村から売木村を目指して、国道418号を平谷峠越えして降りてきます。

期間中は、看板と、ノボリ旗が出ています。

浜松、豊橋方面からは、役場を目指して来て、ふるさと館などで聞いてください。

どこからでも2時間前後です。

浜松方面からは、いなさICから1時間ほど、近くなりました。

スマホがない場合、ナビは、ピンボイントでは連れて来てくれません。

山奥なので、園の前の村道が、出てないこともあります。

まず村に着いて、あとはのぼりと矢印看板が頼りです。


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や鹿のお肉なら食べてもいい犬


 あるお家に、我が家のコーギー犬ソラから横取りして、ガムをおみやげに持って行きました。
「あげていいですか」
「それが、だめなんです。アレルギー体質なものだから・・・」
 気の毒に、あわててガムを隠しました。まったく目の毒というものです。もう、12歳になるというお嬢さん犬でした。なんとだいぶ前に、関東のとある保健所から、もらってきたのだそうです。

「肉がだめで、ほとんどベジタリアンです。ドッグフードはカンガルー肉のものをやるくらいです。お医者さんに、これまでに食べたことの無いものを、食べさせなさいと言われていますから。イノシシや鹿の肉なら、大丈夫なんですが・・・」
 そういうことがあるなんて、知りませんでした。まあ、このあたりなら山肉は手に入りやすいから、いいところへ引っ越してきた犬です。
 薬やらサプリメントは、以前住んでいた所のお医者さんに、症状を電話して送ってもらっているそうです。先日は車に乗せて行って、診せてきたとか、とても大切にされていました。

「もしかして、それって、添加物や薬などが入っているものはだめ、ということではないでしょうかね。イノシシや鹿は、野や山の自然のものを食べているわけですから」
 ふと思いついて、あてずっぽうに言ってしまいました。
「ああ、もしかすると、そういうことがあるかもしれませんね。原因がよくわからないことですからね」

 もしそうなら、人間の場合にもあてはまって、山肉の需要が増えたらいいのに・・・と、恐ろしいことを考え付きました。
 山の動物たちのことは大好きで、同情もするのですが、あまりにも見聞きする被害がひどすぎるのです。

 そういえば、以前あるキャンプ場で、ごみ捨て場に夜毎現れるイノシシの群れを、見に行ったことがありました。もちろん、車の中からです。ライトで照らしても、逃げようとはしませんでした。
 あれだともう、自然のものを食べているイノシシとはいえないから、あの気の毒なお嬢さん犬には、食べさせないほうがいいかもしれません。
 
 
 
 
 
クッキーよありがとう
 

団地の外まできて、四つ角で右へ曲がろうとすると、どうしたことか、わが愛犬クッキーは、座り込んでしまいました。珍しいことでした。
 無理に引っ張ってみましたが、首で綱を後ろに引くようにして、がんとして動こうとしません。
 何年か前の、ある夏の夕方のことでした。

 右へ行けば、すぐに広い通りを横断して、あとは田んぼが広がる絶好の散歩道です。クッキーも好きなコースのはずでした。仕方がないので、四つ角を反対方向、左に行くことにしました。
 すると、クッキーはあっさりと立ち上がってついて来ます。さっきのあの抵抗はなんだったんでしょう。
 そのまま50メートルほど、歩道を歩いたときです。道路の向こう側の駐車場から、黒い車が道路へ向けて出てきました。
 そして、なんだか大きくぐらっと揺れました。と、こつん、と小さな音がしました。道近くに停めてあった車に、当たったのでした。
 とたんに、黒い車は、ものすごい勢いで道路に出て、自分たちがたった今歩いてきたほうへ、スピードを上げて走っていきました。
 ”あて逃げ”そんな言葉が浮かぶまもなく、
「ドーン」
 向こうの広い通りから、今度は大きな鈍い音が、聞こえてきました。
 一瞬、何が起こったかわかりませんでした。しばらくして、ぶつかったんだ、と気がつきました。
 引き返してみると、広い通りの交差点の四つ角、歩道の上に仰向けに黒い車が転がっていました。交差点の真ん中にも1台、トラックがななめ横向きに止まっています。
 そして、仰向けの車から這い出してきたらしい若者が、そこに座り込んでいました。
 どうしたらよいのかわかりませんでした。
 でも、どうやら怪我はしていないように見えました。頭を抱えて座り込んでいました。ガタガタとふるえているようでした。自分は何もできずに、見ていました。
 しばらくすると、もう救急車が来ました。広い通りのすぐ向こうに、消防署があったのですが、それにしてもずいぶん早かったように思います。
 なにか混乱して、時間の経過もごちゃごちゃになってしまっていたのでしょうか。
 
 それから、がく然としました。
 もし、先ほど、四つ角を右に曲がっていたら、ちょうどこの交差点の角あたりに来ていたのではなかったのか、そしたら、この仰向けの車の下敷きになっていたか、はじき飛ばされていたことになる。
 クッキーに助けられたんだ、そう思いました。
 どうして、クッキーはこっちへ来ることを、抵抗したんだったでしょう。まさか事故を予見したとも思えませんでしたが、でも確かにクッキーはこちらへは来ようとしなかったのでした。

 ほんとうにクッキー、あの時はありがとう。今となっては、ゆめまぼろしのような夏の夕方の出来事です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

写真は、白花ムラサキツユクサ
コーギー犬ソラ、今度は蓮華つつじ?
 

 「やっぱり、ウンウンしなかった。夕方はしないんだ」
 夕方、満開の蓮華つつじが咲いている土手の下でした。散歩帰りの奥さんのいつもの「ソラ健康管理報告」を、ぼんやりと聞き流していました。
 それにしても、見事なレンゲツツジです。冬が寒かったせいなのか、去年から人間が住み着いたことに気をよくしたのか、今年はとてもたくさんの花をつけてくれました。土手の下は、レンゲツツジの花びらが散らばっています。

 すると、ソラが何かむしゃむしゃとやりました。あれっ、と思って口を無理やり開かせました。でも、口の中には、もう何もありません。
 悪夢の球根中毒事件が、よみがえりました(よろしければ、2/6をご覧ください)。また、ソラとの長い別離となるのか。いや、ウン万円もかかるのか。
「大丈夫よ。ソラは食べないわ」
 どういうわけか、奥さんは平然としています。

「綱を持っていたんだから、管理責任はすべてそっちにあるぞ」
などというセリフは、そういうときには、悲しいことに、なかなか思いつかないのです。
 いつも、あとになって、あのとき一発かませておければよかったのに、とひとりさびしく思うのでした。 

「昔、飼ってたヤギが食べたことがあったなあ。白い泡をふいた。レンゲツツジはきれいだから、草刈りのときも、つい刈らないようにして残したりするからなあ」
「えっ、やっぱり毒なんだ。それでどうなりました。死んだんですか。病院はどうしました」
 ちょうどそのあとに、近くのおじいさんと話をする機会があったので、早速聞いてみました。
「うん、それだけだった。昔だから、病院もなかったしなあ」
「よかった。食べたとしても、少しだったし、死ぬことはなさそうですね。まったく、食い気ばっかりの犬なんです。
 でも、ヤギだったら毒だってこと、知っていそうなものですけどねえ。動物って、自分で判断できるわけでもないみたいですね」
 さすがに球根中毒事件の話はしませんでした。

 
 その夜、それでも二度ばかり、奥さんに内緒で、様子を見に行きましたが、とくに異常はなさそうでした。よかった・・・。
 
 
初めて飼った犬,プス(その2)
 次の日の夕方、早めに勤め先から帰ると、奥さんと大急ぎで昨日の場所へ行きました。さすがに、心配な気持ちにはなっていましたが、それほど気にしていたわけではありませんでした。
 今なら、山に放置して帰ってくるなんて、動物虐待で訴えられかねません。が、そのころは人間も犬も、今よりずっとたくましかった、ということにしてください。

 前日の場所に車を止めると、向こうからプスが走ってきました。思っていたとおり、そして安心したことに、プスは元気そのものでした。
 「昨日呼んだときに、来なかったからいけないんだ」
 あいかわらずそんな乱暴なことを言いながら、内心ではほっとして連れ帰ったことでした。
 家へ帰ってしばらくすると、プスは何か吐きました。それは何枚かの笹の葉でした。食べ物代わりにそんなものを食べたのかとあきれてしまったことでした。

 それから何年かして、気のせいか、プスの元気がなくなってきている気がしました。おなかの辺りが少し膨らんできたように思いました。

 獣医さんに連れて行くと、フィラリアにかかっていると言われました。そのころは、そんな病気があることも知りませんでした。
 植物が好きで、狭い庭に、やたらにいろんな木や草花を植え込んでいて、蚊が発生しやすかった、と反省しましたが遅すぎました。
 やれるだけやってみましょうといってくれた獣医さんのところに、車の助手席に乗せて、何日も通いました。
 でも、どんどん弱っていくのが、わかっていました。

 ある日、義父がプスを抱きかかえて、散歩から帰ってきました。義父はそのころ同居したばかりで、とてもプスをかわいがってくれました。プスは途中で座り込んでしまって、もう動かなくなったそうです。

 義父から受け取って、犬小屋に連れて行った時、もうプスに綱をつけてやる必要はないと思いつきました。もう、動くこともできない、だったらせめて首の辺りだけでも自由にして、楽にさせてやろうと思ったのでした。

 その夜、遅くなって、車に置いたものを取りに、外へ出ました。
 車庫に行くと、助手席の外にプスがうずくまっていました。小屋からそこまで、プスは自分で歩いてきたようでした。
 
 プスは、車に乗せて、どこかへ連れて行ってくれ、と言っているようでした。
 プスは、どこへ連れて行ってほしかったのでしょう。
 病院だったのでしょうか。
 あるいは、もしかすると、あのおおはしゃぎで遊びまわった犬山の山中だったのでしょうか。
 もう一度、あの山の中を、自由に思いっきり、駆け回りたかったのでしょうか。

 次の日、朝早く病院へ連れて行きました。
 もうだめかもしれないけれど、手術をしてみますかとたずねられました。もちろん、手術をお願いしました。

 そして、それっきり、もうプスと会うことはできませんでした。

素人農事メモ 3/27 晴れ
 最低気温は−5℃と冷え込むも、日中は暖か。
 午前中、二人で、くりたけの種駒打ち500個。午後は、昨秋に、しらかばブルーベリー園の日当たり確保のために、切り倒した木から薪つくり。
 
コーギー犬「ソラ」の球根中毒事件(3)
「この結果をみてください。平均赤血球容積やGPT,ALPがHIGHになっています。これは溶血,肝障害、中毒があることを表しているのです。」
 そう言って、獣医さんは「血液生化学検査報告書」と書かれた用紙を見せてくれました。
 そこには,首にバラボラアンテナをつけられた哀れな「ソラ」のカラーの顔写真がありました。そして,その下に16個もの検査項目やその結果が打ち出されていました。

「それから,この写真も見てください。」
 獣医さんは,息もつかせず写真を取り出しました。
「おしっこの色が違いますね。普段こんなに濃くはないでしょう。」
《そうか,やっぱり球根をたべていたのか。本当に食いしん坊な犬だ。いや,命は助かるのだろうか。》

「どうしますか。連れて帰られますか。ぜひというならですが。」
 もはやそんなふうに聞かれるまでもなく、答えは決まっていました。
「大丈夫でしょうか。ぜひ,助けてやってください。あとにひびいてもなんですし。」
「わかりました。このまま入院させて、治療を続けましょう。」
「あのお・・・。お正月も預かってもらうのでしょうか。」
《明日までに直してもらえれば、明日連れ帰るのだけれど。いくらなんでもそれは無理だろうな。戌年のお正月だというのに。》

「大丈夫です。大丈夫です。お正月にペットホテルに泊まる子もたくさんいますから。いっしょに家族みんなで世話します。わが家は毎年,お正月とお盆は無しなんですよ。」
 連れて帰るもくろみは無残にも崩れて、二人だけで,また一時間かけて,山道を家まで帰りました。

 お正月。いい加減でやめておけばよいものを,テレビは来る日も来る日も犬の番組ばかりやっていました。まったく人の気も知らないで・・・。

 そして,長くつらいお正月の三日間がようやく終わって,二人で取り戻しに行きました。
 ソラは連れて来られると、ぴょんと飛びついてきました。

ふたりで心配していたとおり,ソラはずいぶんやつれた顔になっていました。しばらくは,あまりほえたりもしないままでした。
 9日間も,きちんとした説明もないままに,引き離されて,狭いところに閉じこめられたのであれば,仕方がないことではありましたが。

 2月になって,ビニールハウスのまわりの雪もとけたころ
「これ見つけたよ」
と,奥さん。
「水仙の球根。やっばり食べていなかったんだ。わたしはそう思っていた。
 おしっこだって,ソラはすこしがまんすると,すぐあんな色になるもの。」


素人農事メモ 3/19
晴れ、午後になって冷たい強い風
 午前、午後とも、近くのモリゾー爺さんの指導でシイタケの駒打ち
 シベリア抑留の話も聞く。
 
コーギー犬「ソラ」の球根中毒事件(2)
 突然「ソラ」が飯田市の動物病院に入院してしまった翌日,また1時間かけて1人でソラの様子を見に行きました。
 予防接種の証明がいると言われていたので,本当はファックスでもよかったけれど、それを口実に様子を見に行ったのです。
「引き綱を持っていって,散歩をさせてもらってね。病院では,やってくれないだろうから,トイレができなくて困っていると思うわ。」

 受付に行くと,診察室のむこうからソラのほえる声が・・・。良かった生きていたか。
「もう気がついたみたいですね。近くへ行くと、興奮して点滴をはずしてしまうから,このドアからそっとのぞくだけにしてください。ちょっと待ってください。」
 しばらく待った後,遠くから,のぞかせてもらうことができました。
 でも,すっぽりと青いビニール袋をかぶせられていました。ほえたりもせずに,じっと立っていました。
 足元あたりの毛が,少し見えるだけでした。たしかに,ソラにはまちがいないんだろうけど・・・。
 なんのために1時間もかけて会いに来たんだろう。散歩どころではありませんでした。むなしく,また1時間,ひとりで車を走らせて家に帰りました。

「前にペットホテルに1日預けただけで,おかしくなって帰ってきた。3日間も病院にいるなんて,耐えられないと思うわ。もうきっと限界よ。」
 翌々日,12月30日、ふたりのほうこそ限界でした。なにがなんでも病院からソラを取り返すつもりで,朝のうちに出かけました。
 でも,着いたら,どこかの犬ころの手術で,獣医さんにさえ会わせてもらえませんでした。1時間もかけてきたのに。
 「手術終了が12時過ぎになりますから,午後の診察時間にきてもらえませんか」
「えーっ。そうですか。そうするしかありませんか。4時まで待つんですか。」

 それで,夕方4時まで,ふたりで飯田の町をさまよいました。
 
 4時少し前に,病院に入りました。
「よっぽど大きな犬かねえ。すごい鳴き声だねえ。」
 ソラと同じくらいの大きさの柴犬を抱いた女性に聞かれました。
 診察室のむこう部屋から聞こえてくるのは,おこったような激しい鳴き声でした。ソラでなくて他の犬かもしれない。でも,やっぱりソラのようでした。

「興奮すると,点滴をはずしたりしますから,そうならないようにします。少し待っていてください。」
 獣医さんの言葉の後,だいぶ長く待たされました。
 そして,診察室のドアから奥をのぞかせてもらいました。今日はビニール袋はかぶせられていませんでした。
 さっきまであれほどほえていたのに,みように静かです。
 パラボラアンテナみたいなのを首につけられてこちらを見ているようでしたが,よくこちらが見えてないようでした。
 どうも,興奮抑制剤か何かを注射させられたみたいでした。よほど声をかけたいと思いましたが,それは禁止でした。

「やっぱり,球根を食べていたみたいですね。」
そして,獣医さんが,なにか勝ち誇ったように言いました。 
 
(以下,次の機会に続く)
初めて飼った犬,プス(その1)
 休み時間。教卓の周りには子どもたちが集まってきます。誰もが先生に自分の話を聞いてもらいたくてしかたがありません。
「先生,ぼくんとこ,赤ちゃんが生まれたんだよ。」
「そう,弟ができたの,それともかわいい妹なの。よかったね」
「違うよ。犬の赤ちゃんだよ。5匹も生まれた。」
 そのあとのことは,奥さんは覚えていないと,言いはりました。

 小学校の先生はまったく忙しい。休み時間に職員室へ戻る時間も惜しくて,教室で仕事をします。
 連絡帳を読んで,返事を書いて,その日のうちに返さなければならないのです。むろん授業の合間をぬってする仕事は,ほかにもたくさんあります。
 連絡帳などいらない中・高・大の先生のほうが,授業のない空き時間がたくさんあるからまったく不思議です。小学生のほうがよっぽど生活全般について,世話がかかるのに。

次の日の朝,教室にはかわいらしい子犬が持ち込まれました。

「先生,あした一匹持ってくる。先生にあげるからね。」
 昨日,連絡帳の返事を書きながら,うっかり「うん」と返事をしてしまったみたいでした。
 
 今さら子どもに返すわけにもいかず、家で飼うことになりました。
 なんだか,ぶすっとした顔をしている子犬でした。少し寝ぼけたような顔をしていました。
 犬は飼い主に似ると言うけれど,そうではなくて,最初からそういう顔をしていたのです。 
 それで「プス」と名づけました。

 この名前は,奥さんには,大変不評でした。

 奥さんが,夏の日の夕方,学校から帰ってくると,子どもたちが走ってきます。
「あっ,プスのおばさんだ。おばさん,プスくんと遊んでもいいですか。」
 こどもたちは確かにそう言っているのに,奥さんの耳には
「あっ,ブスのおばさんだ。」
と,聞こえるというのでした。
 もちろん,そんな事実はありませんが,念のため,慎重にコメントを控えさせていただきました。

 プスがまだ小さいころ,近くの空き地で有刺鉄線にからまってしまったことがあります。
 まぶたにとがった針金が刺さって,キャンキャン泣き叫びました。はずしてやろうとすると,いっそう暴れまわります。なおさらひどく刺さるみたいで,手を出しかねていました。
 すると,奥さんが近づていってプスをつかまえ,ためらいもせず有刺鉄線を引き抜きました。いざとなると女性は強いと心から尊敬したものでした。奥さんは,指から血を流していました。
 この事件のせいなのか,プスはまっすぐに走れない犬でした。
 呼ぶと,まっしぐらに走ってきます。でもなぜか,こちらの立っているところより少し右にずれてしまうのでした。本人も首をひねっているみたいで,気の毒だけどいつも笑ってしまいました。

 またある時,近くの山にプスを連れて遊びに行ったことがありました。
 山の中で放してやると,とても喜んで走り回りました。よほどうれしかったのでしょう。帰るときになって,いくら呼んでも全然帰ってきません。呼んだとき,チラッとこちらを見るばかりでした。
 日は暮れてくるし,本当に困りました。帰るふりをして少し車を動かしてみました。やっぱり,走り回っています。つかまえることもできません。
 腹が立ってきました。
 もうそのままにして帰ることにしました。家までそんなに遠くないし,自分で帰ってくるだろうと思ったのです。
 でも,その夜いくら待っても帰ってきませんでした。
 
 以下,次の機会に続く。
学校から連れ帰った白い子犬(その2)
 玄関に出てみると、近所のご夫婦が、白い子犬を抱いて立っていました。
「この犬を飼ってもらえませんか。お宅だったら、今は犬がいないし、飼ってもらえそうな気がしたものですから」

 柴犬の小太郎が、はやりやまいのジステンパーで亡くなって、何年も経っていた頃でした。小太郎をとてもかわいがっていたおじいさんも、すでにいませんでした。
 学校帰りの小学生たちが、つけて騒いでいるのを、あずかってきたということでした。
 それで飼うことにしました。
クッキーを食べながら名前を考えたので、自然にクッキーと言う名前になりました。

 生まれてからしばらく野良犬の時期があったみたいで、少しさびしそうなところがある、とは奥さんの感想でした。
 それでもすっかりなついて、我が家の大事な家族になりました。
 このクッキーには散歩のとき,偶然なのか命を救われたことがありますが、それは別の機会のお話です。

 ある日、探し物で引出しをかき回していると、古ぼけた写真が出てきました。
 見ると、クッキーが写っています。不思議に思って、奥さんに言うと
「本当ね。どういうことかしら。ああ、これはチビだよ。隣りのジョンの小さいときの写真だわ。クッキーと、こんなにそっくりだったんだ。」

 確かに学校から連れて帰ったジョンでした。それにしても、どうしてこんなにクッキーにそっくりなんだろう、と不思議に思ったことでした。

 そのうちに、お隣りでも妙なことが起きました。ご主人がある夕方
「お隣りの庭にジョンがいるぞ」
と言ったそうです。
仕事が忙しくて、新参のクッキーのことは、知らなかったみたいでした。
それにしても、ジョンがいなくなったのは、もうずっと昔のことだったのに・・・。
 でも、そのころも、どこの家でも男たちは、そんなふうに朝早くから夜遅くまで、懸命に働いていたのでした。

 それはともかく、ジョンとクッキーがそっくりだから、お隣りのご主人も勘違したと思います。
 もしかしたら、クッキーはジョンの子孫なのかもしれない、と思いつきました。
あの学校から連れて帰った白い子犬の子孫が、このあたりで飼われたり、野良犬になったりして、暮らしているのかもしれない。

 そういえば、ジョンのあとに、お隣りで飼われている老犬のシロも、近くのお店で、ダンボールの箱の中からもらってきた犬だそうです。
 その名のとおり、ジョンと同じ白い犬ですが、ただ,ジョンとは違って、小型犬だから、名前だけのことかもしれませんが。

「クッキー、おまえはチビのひ孫くらいかも知れないなあ。」
 時々、そんなふうに話しかけたりしましたが、もちろん、それはクッキーにもわからないことだったでしょう。

 まぎらわしいところもあるので、下に、少し整理してみます。

ジョン(=チビ)
 学校から連れ帰った白い子犬。お隣りで飼われ,ある日行方不明に。
クッキー 
 近くで小学生が拾う。我が家で飼う。ジョンとそっくり。
シロ
 近くのお店からお隣りがもらってくる。現在,非常な老犬。白い小型犬。

柴犬の小太郎
 チビを学校から連れ帰った頃、我が家で飼っていた犬。上記の犬たちとはまったく別のところで生まれた犬


 今は、野良犬を見かけることも少なくなった気がします。
 クッキーのあとに飼っているコーギー犬「ソラ」は、我が家では初めての「購入犬」です。
 もう、子犬を拾って来て飼う時代ではなくなったのかもしれません。
学校から連れ帰った白い子犬(その機
 ある日、登校の途中に生徒の一人が、小さな白い子犬を拾ってきました。
 もちろん授業のじゃまになるので、ダンボール箱に入れて、職員室にあずかりました。
 休み時間に、みんなが職員室に来て、先生たちにうるさいと叱られたり、にぎやかな一日になりました。
 幸い下校時間には、家で飼いたいと言う子が、連れて帰りました。それで子犬のことは、一件落着のはずでした。

 夕方、遅くまでやっていた部活も終わって、他の先生たちも帰ってしまった後でした。やりかかった仕事に、つい帰りそびれて、一人でごそごそしていると、
「先生、返して来いと言われちゃった」
 見ると子犬を抱いた女生徒が立っていました。目のあたりが赤いようでした。
「なんだ、泣いとるのか」
とは先生の情けで言いませんでした。

 他に誰も先生はいないし困った、と思いましたが、仕方がありません。とりあえず家に連れて帰るつもりで、車の助手席の床に乗せました。
 そのころは、日産のプレーリーというギアがハンドルのところにあって、運転席と助手席の床が、フラットにつながっている車に乗っていました。

 走っているうち、交差点の赤信号でブレーキを踏もうとしたら、なにか変です。
『あっ、子犬がブレーキの下にいる。どうしよう。』
 とっさに左足で子犬をはらいました。きゃーんというような悲鳴が聞こえましたが、仕方ありません。
 かろうじて、衝突をまぬがれて止まることができました。
「中学校教師、赤信号に突っ込み、子犬とともに交通事故死。」
 あやうく、新聞に載るところでした。

 そのころは、小太郎という柴犬を飼っていたので、二匹も飼うなんて、とは思いましたが、翌朝、また学校へ連れて行くわけにも行きません。
 仕方なく、チビという名前をつけて、飼うことにしました。

 何日かが過ぎて、とてもかわいくなってきた頃、隣りの奥さんが
「子どもたちがちゃんと世話すると言ってます。もしよかったら、いただくわけにはいかないでしょうか」

 それで、お隣りで飼われることになりました。とてもかわいがられていましたが、チビの名がありながら、勝手にジョンなんて名前をつけられて、と心の中では思いました。

 でも、ジョンは恩は忘れていないみたいで、学校から帰ってくると隣りの庭からしっぽをふって、ほえてくれました。ときどき脱走して、我が家の庭に飛び込んでくることもありました。
 でも、そのうちに、すっかりお隣りの家のジョンになってしまいました。白いスタイルのいい犬でした。

 ・・・・・・・・

 それから何年も経って、ある日、ジョンは綱を切って、どこかへ行ったきりになってしまったそうです。
 交通事故にでもあって、どこかで死んでしまったのだろうかとか、野良犬になって、元気で暮らしているのだろうか、とか話しましたが、もちろん誰にもわかるはずはありませんでした。

 ・・・・・・・・

 それから、また何年かが過ぎました。
 ある日、チャイムが鳴るので玄関に出てみると、近所のご夫婦が、白い子犬を抱いて、立っていました。

(以下、別の日に続く)
コーギー犬「ソラ」の球根中毒事件(1)
 よせばいいのに、年末に小牧のホームセンターで、水仙とフリージアの球根を買ってきました。見切り品で、一袋100円になっていたので,悪い癖でつい手が出てしまったのです。

 翌日,鉢に植えるために、ビニールハウスへ行こうとしたら,デッキから愛犬ソラが盛んに連れていけとほえます。
 デッキの扉を開けてやって、一面の雪の中を、いっしょにハウスに行きました。まったく、売木では12月には雪が積もったりしないはずだったのに、ひどい雪でした。

 小さめのプラスチック鉢に、上半分くらいが土の外に出るようにして、球根を植えました。ソラはハウスの外、雪の中で狂ったようにして遊んでいます。

 途中で,鉢が足らなくなって、ハウスにも地植えすることにしました。ハウスの奥にいくつかを地植えしたあと、鉢植えを室内に持っていこうとして球根が植えてない鉢に気がつきました。
『植え忘れたのかな、まあ、歳のせいではなくて、昔から自分のよくやることだ。』
 鉢の中央の土がへこんでいるのが、少し気になりましたが、そのままソラをデッキに入れて、自分も家に入りました。

 午後になって、ソラと目が合ったとき、急に球根のことが気になりだしました。
「ソラ、おまえが食べたのか」
 ソラはなにも言いません。
なにか元気が無いような気がしてきました。球根が落ちてないか、ハウスのあたりを探してみましたが、深い雪でよくわかりません。

 飯田の動物病院を電話帳で調べて、電話しました。
「すぐに連れてきてください。胃を洗浄することになるかもしれません。」

 1時間かけて、午後4時過ぎに病院に着きました。
「午前中ですか。もう胃を洗浄しても無駄ですね。点滴して早く外へ流しだすようにするといいでしょう。」
「食べたかどうか、はっきりしないんですが。まあ、ひどい食いしん坊だから食べたと思いますけど。」
「この犬種はそうですね。症状が出てからよりは、今から治療を始めたほうがと思いますよ。入院させて4、5日様子を見ましょう。」
「4、5日も・・・。というとお正月にかかってしまう。そんなに長い間なのか。来年は犬年なのに。」

 それから、なぜか顔写真をとることになりました。そういうことに不慣れなソラは、診察台の上でじっとしていなくて、若い看護士さんが押さえつけたので、よけい暴れました。
「首じゃなくて腰をおさえるんだ」看護士さんが叱られていました。

「そういえば、前に,チューリップの球根を食べた子の記録があったはずだな。」
「えっ、水仙や彼岸花の球根は毒だって知っていたけど、チューリップもだめですか。」
 でも、チューリップの球根を食べたあわれな犬のフォルダはもう消してしまったらしくて、出てきませんでした。

 帰り道,突然の別離に、自分も奥さんも、とてもショックでした。
「まあ,もし食べていなければそれでいいし、食べていてなにかがあったら悔いが残るから」
 ソラの管理がいいかげんすぎる、という猛攻撃に耐えながら、そんな弁解をしてしまいました。

 (以下,別の日に続く)